Bird Human

その空気を吸うだけで僕は高く跳べると思っていた

落語家論

キーワード : 落語, 芸談, 言葉

感想

優しい文章の中で、ハッとさせられたり、考えさせられたりと、小三治師匠に近い目線で読めたエッセイ集。
印象に残ったものを何点か。

  • 座右の教訓
    • 小三治師匠が、師である小さん師匠に「お前の噺は面白くねぇな」と言われ悩んだ時期があった。そのとき小三治師匠を救った言葉が、駆け出しの頃の志ん朝師匠が父である志ん生師匠から言われた言葉であった。
  • 会話はココロ
    • セリフは師匠から教わったそのままでもいい。しかし、熊公のここの「バカヤロー」という怒鳴りは、熊公の立場に立つと小さく「バカ!」つぶやくほうがいいと思ったら、より自分の落語に近づく。
  • 「面白くねぇな」
    • 師匠の口癖「その了簡になれ」の真意を師匠の「長短」を高座のソデからみたときに気付き、小三治師匠は放心してしまった。
  • 落語を地で行く
    • 文楽師匠から言われた「いいかい。痛いッ!と思ったらそれが芸だよ」という一言にまつわる話。

戯言

いつまで経っても更新しないので、以前他のところに書いたレビューをこっちに移植。一年以上前に読んだ本だが、このレビューをみただけでありありと内容が思い浮かんでくる。
記録はしっかりつけるに越したことはない。

落語家論 (ちくま文庫)
柳家小三治
筑摩書房
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